『オサム』の人気にインスピレーションを受けて、『聖☆おにいさん』のアークエンジェルズをネタ元にしたっていう安易な内容は、まぁまぁ好き。ツッコミ役と明示しているわりに、ヒロインの子が全然突っ込んでなくて、ただ状況の説明してるだけなのが気になるけど、そこはこれからに期待したい。
けどなぁ。
面白いんだけど、最後の豆知識とか含めて、ちょっとなぁ……。
偶像=アイドルの尊みを説明したいってことなんだろうけど、「偶像は神聖なものだった」っていう解説はしたらダメな奴だろ。
この人の読み切り(少年マハラジャとか)は、面白かったから覚えてる。
マハラジャネタとかアカシックレコードとかやってるから、多分まぁ、オカルトネタっていうだけで、宗教に対して他意がない(カルト宗教とかではない)のはわかるんだけど、『間違い方』が、カルトの教義とかによくあるパターンなので、それがちょっと怖い。
そもそも、この世界が天使(善)と悪魔(悪)の二つの勢力がせめぎ合ってできた世界であるというのは、ゾロアスター教という宗教が生み出した概念で、それらをたたき台にして出来上がった『アブラハムの宗教』(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)では、偶像への崇拝は、神ではなく偶像への信仰になってしまうので、基本禁止。
元々のゾロアスター教であっても、偶像崇拝は行っていない。(ゾロアスター教は、火そのものが神。ゆえに『拝火教』)だからこそ、それ以降のアブラハムの宗教で偶像崇拝が禁止になったんだし。
善悪二元論という概念によって生み出されたこれら宗教では、偶像が神聖だったことは一度もない。
ちなみに天使ってのは、神の使いであるとともに、普段は人間の手には届かない天上世界で、神への賛美を高らかに謳いあげているという存在でもあるので、普通の人が思ってるよりも歌って踊る芸能ジャンル寄り。よくラッパ吹いてるとこ見るでしょ?(
だからこそ、アイドルってネタをやってるんだと思ったら、そういう解説しちゃうのっていう……。用語解説と中身でやってることが真逆で、そういう意味でも、作者の練りこみ不足が心配になる。
おそらくは、宗教そのものよりは、『神話』的な感覚で進めていく気でいるんだろうし、ギャグマンガだから別にいいんだけど、現実の宗教を下敷きにするのか、それとも要素だけ拾ってファンタジー世界でやってくのか、それが曖昧なのが一番困っちゃう。
そういう部分を徹底的に力入れられないのが、一番つまらんのだよなぁ。
パクリ元のオサムだって、実力派作者が豊富な腐女子あるあるで除霊ネタをやってるのに、もうネタ切れで息切らしてるんだよ?
ほんとにこの感じで、やりきれるの?
【 Sin - Feeble - 】